2011年2月20日日曜日

連載スタートにあたって


堤  健 二(昭和19年 日本中学校卒)

歳をとると人みなそうでしょうが、残り少ない人生をどう燃焼させ終えようかなど考えるものです。そこで友人たちと語らい自分史を書くことになった訳です。何しろ80年前のことに遡るのですから、当時の時勢を正確に確かめながら記述を進めるのは容易なことではありません。一番苦労したのは当時の心情の把握です。『三つ子の魂百まで』と言われますが、その魂=心情がどう自分自身を突き動かしていったか?実は心情というより周りの人々(親・兄弟・先生・友人・伝記中の聖賢・偉人等々)から導かれた自画像(セルフイメージ)を背負ってどのように生きたかということです。

私の場合、特に日本中学から海軍飛行兵として参戦・その敗戦からの再起という激動の青春時代の心情・経験はその後の私の一生の行動の大きな規範となりました。それは様々な出遭いと想い出の人々を失った悲しみとか、私自身幾つかの挫折にも拘わらず、以後、生きるためにそれを上回る元気とそして気力を胸の中にわき上がらせてくれたことも間違いありません。

今日は私が日本中学に入学するまでの、当時戦争に明け暮れた世相のなかで、私たちがどう生きたか、貧困な社会の中で人々が求めたこと、国際問題がどう展開しそれが世界大戦に繋がっていったかという過程を幼い子供の目を通して描いてみました。

※余計なことかもしれませんが、自分史を書いていて思ったことですが、出来るならもっと若い時分、出来れば20・30歳代からでも記述を始めれば、その方の人生にとって更によい結果を生むのでないかと思います。

以上。

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